看護学校の教員ってどんな仕事をしているのか気になりませんか?
まわりで「私、看護学校で働いてるよ!」っていう人、あんまりいないんですよね。
だいたい、総合病院とかクリニックとか。
看護学校を卒業した人も多いと思うのですが、先生って何してたんだろう・・・って思いますよね。
この記事では、
- 将来看護学校の教員になりたい
- 現場で看護師をしていて後輩に指導したりするのが好き
- 転職を考えていて看護学校の仕事内容の情報を知りたい
こんな方の参考になればうれしいです!
教員が仕事をする場所は、学校か実習先の施設
看護学校での仕事の場所は、学校か実習先です。
常勤の教員はフルで学校と実習先のことをしていますが、非常勤の教員は自分のライフワークに合わせて実習のみ、学校のみと選ぶことができます。
働き方改革で、昔のように「とにかく働け!」「常勤が当たり前!」という時代ではなくなりました。
そんな私も、プライベート重視派なので非常勤でまったり働いています!
実習先は、いろいろな病院や施設に行きます。
病院や施設に実習させてほしいとお願いしているので、すべての実習先を学校周辺にすることはできません。
学校のある地域によりますが、地方だと車が必須というところは多いと思います。
たまに、雨の日も自転車で実習先行ってます!っていう教員もいましたが、真夏や真冬の雨とかだと地獄なのでやめた方がいいと思います(笑)
看護学校での仕事内容は授業や試験関係のことがメイン
では、看護学校ではどんなことをしているのかざっくり紹介します!
自分の担当している授業の準備・講義
看護学校では、1年生や2年生はほとんどが座学です。
授業は、外部からの講師(病院の医師や看護師とか、施設の他職種の方とか)にお願いもしますが、看護学校の教員も授業をします。
年度初めで一年間の授業カリキュラムとスケジュールが発表され、自分が担当する授業があればその準備をします。
授業をどうやるかは自分で決めることが出来ますが、一応上司に報告したり、会議で「こんな感じでやりたいと思います」っていうことは他の教員にも伝えて、もっとこうした方がいいんじゃない?という意見があれば取り入れていきます。
人それぞれで、パワポで資料を作ったり疑似体験できる何かを作ったり・・・。
そして、実際に講義も行います。
授業スタイルは、ずっとペラペラ話し続ける教員もいれば、「実際にやんなきゃ分かんないでしょ!」と体験型の教員もいたり、これといった決まりはないですが、一応授業の到達目標があるので、それを達成できる内容でなければいけません。
試験の準備や採点
授業があれば、その試験もあります。
担当する講師から試験問題をもらい、おかしなところは無いかなどチェックした後、学生の人数分印刷して試験までに準備しておきます。
自分が担当している授業は、自分で試験問題を作ります。
簡単すぎると学生のためにならない・・・けど、難しすぎるとみんな単位落としまくって自分のせいで留年生大量発生という最悪な事態になるので、そのへんのバランスを考えながら作ります(笑)
試験は学生の単位に関わるので、試験当日トラブルが起きないよう教員は最善を尽くします。
試験が終わったら、外部の講師には採点を依頼し、自分の担当の試験は自分で採点して担任に返します。
学生の成績や出席日数の管理
試験結果や実習の評価などの成績、出席日数の管理もします。
学生の成績が間違っていないかダブルチェックで確認します。
この確認作業が地味なのですが、かなりの人数と科目なので結構大変です(笑)
でも、間違えた成績で留年ということになっては絶対いけないので、みんなピリピリしてます。
また、出席日数が足りているかということも管理します。
出席日数が足りなければ試験を受けることはできないので、必須科目だと留年ということになっちゃいます。
なので、普段も出席日数を確認しているけど、試験の前には、試験を受けることができるか再度確認しています。
授業をしてくれる外部の講師との調整
授業をしてくださる外部の講師との調整も行います。
講義の日に準備物を確認したり、資料があれば学生分を印刷したり。
学年によってクラスの雰囲気が違うので、全体的に元気がいいとか大人しいなどの情報を伝えたりします。
こちらが学生の状況を講師に伝えておくことで、講師もどんな授業にしようかなと考えてくれたり、授業のあとに「みんないつも大人しいのに今日はすごく積極的に授業を受けてくれました」など学生の様子を教えてくれたりします。
実習や授業で学生が書いたレポートをみる
看護学生って結構アナログで、レポートはだいたい紙なんですよね。(都会の方の学校はデータなのかな・・・?)
実習先や授業で学生が書いたレポートをその場では全員分見ることが出来ないので、学校での業務の隙間時間に見ています。
レポートは、すっかすかの学生もいれば、ちっちゃい字でみっちりの学生もいて、かなり根気がいります(笑)
「また後で見よう」と後回しにすると膨大な量になって大変なことになるので、隙間を狙って全集中でみています。
私は集中すると周りの音が聞こえなくなるので、隣で「先生!!!」と言われて「・・は!!なっ、何ですか!?」となります。
レポートには学生が考えたことが書いてあり、ここまでは理解出来てるけど、ここは理解出来てないんだなと分かるので、隅々まで読んで必死に赤ペンで看護のヒントを書き込みます!
気になる学生のサポート
学生がたくさんいるので、やっぱり気になる学生も出てきます。
- 授業態度がすごく悪い学生
- 全体的にだらしなくて課題とか全然出さない学生
- 元気はいいけど単位とれるか危うい学生
- 人間関係で悩んで学校や実習に来られなくなる学生
他にもいろいろいますが、ざっとこんな感じ。
看護学校の教員としては、入学した子たちみんな無事に看護師として送り出したいのですが、なかなか難しい学生もいます。
そんな学生が少しでも留年せず国家試験をクリアできるように、面談をしたり、個別に勉強を一緒にしたりサポートをします。
看護学校は社会人の学生もいますが、現役で入学した20歳前後の学生が多いです。
まだ社会に出たことのない、大人だけど子ども、という時期なので、「大人として当たり前でしょ」ということが分からないことはしょっちゅうあります。
なので、教員の言っていることが納得いかない、理解できないという衝突も。
その都度、こういう理由でこう言ったんだよということを伝えます。
子育てと同じで、学生には学生の考えがあって主張しているので、まずは学生の意見を聞いたうえで指導するということを心がけています。
看護師の訓練校みたいなもんなので、大学出身の人からすると過干渉すぎん?というところもあるかもしれません。
実習先の病院での仕事内容は学生のサポートや病院と学校の調整
次に、実習先ではどんなことしてるのか紹介します!
どうしていいか分からない学生のサポート
学生は、自分がナースステーションのどこに立っていたらいいのか、いつ看護師に声かけたらいいのか、患者さんになんて話ししたらいいのか分からないんですよね。
当たり前です。
だって、医療の現場を見たことないんだもん。
でも、臨床では座学だけでは通用しないことの方が多いです。
なので、実習に行って生の看護を考えて実践していくわけですが、学生は右も左も分からないので教員がサポートします。
学生が、患者さんの状況を把握できるように、患者さんにできることを考えることができるように、教員がヒントを与えます。
一人の患者さんだけのことを一生懸命考えることができるのが学生の特権なので、それが最大限できるように分からないことを一緒に調べたり、考えたりしていきます。
学生の体調を把握して、必要ならばサポート
風邪などの病気で休まなければいけない学生はもちろん、実習クループ内での人間関係が上手くいかなかったり、実習先の指導者と合わなくて実習に来られなくなる学生もいます。
自分が担当している実習グループの学生たちの体調は悪くないか、顔色や言動などからも把握します。
この子なんかいつもと違うな・・・と思ったら、早めに声をかけて対応できるようにします。
身体も心も元気じゃない人が患者さんを看ることはできないので、学生の体調はかなり気にしています。
学生の状況などを実習先の施設と情報共有
実習先の施設は迎え入れる学生のことを何も知らないので、ざっくりこんな学生ですということはお伝えしておきます。
指導者の方も、できる限り個々に合わせた指導に努めてくださいます。
中には、無条件に「学生=嫌い!」という指導者もいますが・・・そういう指導者で、学生が内気の子とかであれば、学生の報告時に一緒に隣に立って「パワハラしませんよね?」の圧を送ります(笑)
実習先の施設からの要望などに対応
実習前に打ち合わせはしていますが実際に実習をしてみると、不具合が出てくることもあります。
私も総合病院で働いていたので分かりますが、施設側は仕事の合間で学生の対応もするので「もっとこうしてほしい」ということが出てきます。
例えば、
- 分からないなら分からないでもいいからもっと学生に積極的になってほしい
- あいさつはしっかりしてほしい
- 病院内で横に並んで歩かないでほしい
など施設側から要望があれば、それに対応します。
これは学生をいじめたいとかではなく、ちゃんとした看護師に育ってほしくて言われていることなので、理由と一緒に学生に指導します。
そういう現場の看護師はあいさつとかみんな出来てるの?と言われれば出来ていない人もいますが、学生にはそういう大人にはなってほしくないので、まずは教員である私が必ずあいさつをするようにしています。
反対に、学校から施設側に、学生にこうしてほしいとお願いすることもあります。
まとめ:看護学校の教員は思ったより結構忙しいけど、教育が好きな人には楽しいところ
ざっとですが、看護学校の教員の仕事内容を紹介しました!
まとめると、学校での仕事内容は、
- 自分の担当している授業の準備・講義
- 試験の準備・採点
- 学生の成績や出席日数の管理
- 授業をしてくれる講師との調整
- 実習や授業で学生が書いたレポートをみる
- 気になる学生のサポート
実習先の仕事内容は、
- どうしていいか分からない学生のサポート
- 学生の体調を把握して、必要ならサポート
- 学生の状況などを実習先の施設と情報共有
- 実習先の施設からの要望などに対応
でした。
看護の教育現場が気になる人はぜひ参考にしてみてください!
それではまた♪
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